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2018年8月21日火曜日

四電、自然エネ 一時100%供給 今年5月、国内10社で初

四国電力管内で太陽光や水力発電など自然エネルギーによる電力供給量が、5月20日午前10時から正午にかけ、需要の100%を超えていたことが、NPO法人・環境エネルギー政策研究所(東京)の調べで分かった。2012年に太陽光発電などの固定価格買い取り制度が始まって以降、供給が100%に達したのは国内電力10社で初めてという。5月20日午前10~11時の四電管内の電力需要は221万キロワット。これに対する供給は太陽光161万キロワット、水力56万キロワット、風力7万キロワット、バイオマス1万キロワットの計225万キロワットで、需要の101・8%に達した。同11時~正午は需要が223万キロワットで、太陽光167万キロワット、水力52万キロワット、風力6万キロワット、バイオマス1万キロワットの計226万キロワットを供給し、需要に対する割合は101・3%だった。両時間帯ともに、太陽光が72・9%、74・9%を占め、最も多かった。
「テクノロジー_2018/08/21」

太陽光の倒産件数、2018年上期に減少に転じる

東京商工リサーチは8月6日、2017年の電力事業者の新設数と2018年上半期の太陽光関連の倒産件数を公表した。電力事業者の新設では、全体で前の年を上回ったなかで、特に「風力」と「バイオマス」の伸びが目立った。また、太陽光の倒産件数は、2018年上半期に前年同期比で減少に転じ、倒産件数の増加傾向に歯止めがかかった可能性もあるという。2017年に新しく設立された電力事業者は、2016年比11.2%増の1988社と、3年ぶりに前の年を上回った。利用エネルギー別では、太陽光以外のエネルギーの伸びが大きくなっている。「太陽光」と「ソーラー」の新設法人は、2016年比8.6%増の1146社と3年ぶりに増加したが、増加率は1ケタ台となった。一方、「風力」は同36.0%増の321社、「バイオマス」は同52.4%の186社と大幅に増加した。資本金別では「1百万円未満」が構成比48.9%の974社となり、これを含む「1千万円未満」は同90.5%の1800社と全体の約9割を占めた。「テクノロジー_2018/08/20」

2018年8月8日水曜日

太陽光発電の高値買い取りは19年度まで 沖縄5700世帯、大幅下落へ

太陽光発電の余剰電力を高値で買い取る国の制度で、2019年度に10年の買い取り期間が終わる世帯が県内では5700件に上ることが分かった。期限切れ後の価格は大幅に下がる見通し。対象世帯は安値でも売電を続けるか、蓄電池を購入して自家消費に充てるなどの対策が必要になる。期限切れを知らない世帯も多く、国に周知を求める声もある。(政経部・照屋剛志)
同制度は太陽光発電などの再生可能エネルギーの普及を目指し、発電量のうち自家消費を除いた分について電力会社に一定額での買い取りを義務づけている。10キロワット未満の家庭用の買い取り期間は10年で、スタートした09年11月は、太陽光発電の買い取り額は1キロワット時あたり48円だった。買い取り額は年度ごとに見直され、低下が続いている。同制度の効果もあり、県内では約2万9千件まで普及した。一方、10年間の買い取り期間が終わる世帯が19年11月から出てくる。沖縄電力が電気を買い取っている世帯のうち約5700件が19年度中に期間終了となり、20年度以降も毎年、数百から数千件の期限切れが発生する見込み。期限切れ後は、沖電に買い取り義務はない。沖電は対応を検討中としているが、引き続き買い取るにしても制度の対象から外れるため、価格は大幅に低下する見通し。異業種から売電事業に参入してきた新電力も同様に安値になる。
「テクノロジー_2018/08/08」

2018年7月30日月曜日

次々に見えてきた太陽光発電の「新たなリスク」

2012年の固定価格買取制度(FIT)施行後、太陽光発電所が爆発的に増え、その事業性の良さ、相対的に事業リスクが小さいことから多く新規事業者が参入した。それでも、20年におよぶFITによる売電期間中には、さまざまな思わぬ事象が発生する。今回はそれらのリスクで、ここにきて顕在化してきたものについて記載する。 先月、パワーコンディショナー(PCS)メーカーの老舗である田淵電機が事業再生ADRを宣言した。20年の事業を継続する上で、PCSメーカーや太陽光パネルメーカーの倒産は、生じうる事態である。そのとき、どのようなデメリットがあるのであろうか。メーカー倒産時にまず問題となるのは、メーカーによるアフターサービスが止まることだ。PCSはICTによるソフトウエアプログラムが重要となってきているため、ブラックボックス化している。太陽光のO&M(運営・保守)サービス会社のエンジニアや他社のPCSメーカーエンジニアでは、メンテできない。つまり、メーカーが倒産し、万が一そのメーカーのPCSが故障した場合、誰も直せないという事態となってしまう。最悪のケースでは、他社製のPCSへの交換を余儀なくされることもあり得る。故障にまで至らなくても、PCSは半導体製品のため、パソコンと同様、耐用年数はそれほど長くない。20年間、利用するには、数年ごとに部品交換が必要になる。交換部品が調達できなくなるリスクを想定しなければならない。
「テクノロジー_2018/07/30」

2018年7月26日木曜日

EVで「ダックカーブ」解消、系統蓄電池への投資を回避

気候変動対策で米国をリードするカリフォルニア州は、太陽光発電、エネルギー貯蔵、そして電気自動車(EV)の導入量において、ダントツのナンバーワンである。同州は、2020年までに再生可能エネルギーによる電力の供給割合を33%、そして2030年までに50%にする目標を設定している。電力系統の信頼性を保ち、さらに多くの再エネを導入するため、同州は民間電力会社3社に、2024年末までに合計1.3GWのエネルギー貯蔵用蓄電池の設置を義務付けた。さらに、2025年までに150万台のゼロ・エミッションカー(ZEV)の導入も法律化している。米エネルギー省(DOE)の主管する米ローレンス・バークレー国立研究所(Lawrence Berkeley National Laboratory:LBNL)の研究者が、「クリーンな電力網の実現を可能にするクリーン車」という分析レポートを発表した。このレポートでは、「EVは、カリフォルニア州の再エネ目標をサポートする一方、定置型蓄電池の導入にかかる多額な投資を回避できる」と分析している。
「テクノロジー_2018/07/26」

さらばメガソーラー、「自家消費」が拓く次なる時代

国内のメガソーラーはさすがに厳しい。自家消費モデルに舵を切る」と語るのは、ソーラーフロンティアの平野敦彦社長だ。2012年の固定価格買取制度(FIT)のスタートによって、国内の太陽光発電市場は一気に急拡大を遂げた。太陽光発電協会(JPEA)によると、FIT開始から3年で国内出荷量は6倍に急増。だが、2014年をピークに減少に転じ、2017年度には2014年度の6割にまで落ち込んだ。平野社長は、「2016年頃からメガソーラー建設による成長は厳しくなってきたと強く認識するようになった」と明かす。FITの買取条件は切り下げが続き、2016年5月には「九電ショック」もあった。系統連系は難しさを増すばかりだ。好条件の土地も見つかりにくくなっている。中国を中心とした海外パネルメーカーとの価格競争も厳しさを増している。ソーラーフロンティアはかねて自社でメガソーラーを建設、所有してきたが、そのやり方にも限界が見えてきた。
「テクノロジー_2018/07/26」

次世代太陽電池の世界市場、2030年に2433億円に

富士経済は7月24日、2017年の既存太陽電池(単結晶シリコン、多結晶シリコン、薄膜シリコン、CIG、CIS、CdTe)の世界市場は5兆7830億円だったのに対し、新型・次世代太陽電池(フレキシブル結晶シリコン、フレキシブルGaAs、ペロブスカイト、色素増感、有機薄膜)市場は3億円だったとの調査結果を発表した。2018年の新型・次世代太陽電池市場は15億円の見込みで、2030年には2017年比811倍の2433億円に拡大すると予測する。今後、既存太陽電池の置き換えが実現すれば、巨大市場を形成する可能性があると分析する。既に商用化されている色素増感太陽電池(DSC)と有機薄膜太陽電池(OPV)では、室内光利用といった新たな用途開拓も進んでいる。その一方で、既存太陽電池の販売価格は数十円/W台と新型・次世代と比べて大幅に安価であり、現状の価格競争力では新型・次世代が早急に主流になる可能性は低いとする。まずは既存太陽電池と競合しないIoT機器・無線センサーの電源や、ZEB/ZEH実現に寄与するBIPV(建材一体型太陽電池)といった用途から市場形成が進むと予測する。
「テクノロジー_2018/07/26」

2018年7月20日金曜日

国内の太陽光市場、2018年度は5460億円、2030年には3840億円まで縮小、富士経済が予測

国際連合環境計画(UNEP)が発表した報告書によると、世界の再エネ発電分野の投資額は、従来の化石燃料等の投資額を2015年に初めて上回りました。2015年時点で、再エネ投資額は2650億ドルであったのに対し、それ以外では1930億ドル(化石燃料:1300億ドル、原子力:200億ドル、大規模水力:430億ドル)でした。
このような中、富士経済は太陽光発電関連市場を調査した結果を「2018年版 太陽電池関連技術・市場の現状と将来展望」にまとめたと発表しました。国内市場においては、2018年度の5460億円から、2030年には3840億円まで市場規模が縮小するとしています。
調査方法としては、富士経済専門調査員による参入企業および関連企業・団体などへのヒアリングおよび関連文献調査、社内データベースを併用したとしています。また、2018年3月~6月の期間において調査が実施されました。
「テクノロジー_2018/07/20」

2018年7月18日水曜日

「オフグリッド再エネ」への投資が2.8億ドルに、IRENA公表

国際再生可能エネルギー機関(IRENA)は7月14日、米ニューヨークの国際連合本部で開催されている会議「持続可能な開発のための国連ハイレベル政治フォーラム(HLPF)」において、オフグリッドの再生可能エネルギーが2008年から容量比で3倍、供給を受けている人口の比で6倍と急成長していることを発表した。同機関がHLPF会期中に発表した新しいレポート「オフグリッド再生可能エネルギー・ソリューション、グローバルと地域の状況およびトレンド」によるもの。同報告書によると、世界全体では現在、約1330万人が低コストで確実に入手可能な再エネの電力サービスを受けており、大きな社会経済メリットを享受している。また、オフグリッド関連投資は、2017年に世界全体で総額2億8400万ドルに達したという。同報告書のデータは、オフグリッドの再エネが電力サービスを拡大するうえで主流のソリューションとして世界中で台頭しつつあり、既存の電力網インフラが未整備の場所でも電化を実現することによって、「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals: SDGs)」の第7目標である「安価で信頼性が高く、持続可能な現代のエネルギーへのアクセス」(SDG7)に貢献している現状を鮮明に示している。
「テクノロジー_2018/07/18」

2018年7月13日金曜日

ポストFIT時代の幕開け、主力電源に躍り出る太陽光発電 (1/2)

太陽光発電協会(JPEA)の代表理事・平野敦彦氏(ソーラーフロンティア代表取締役社長)は、「世界はいま新たなエネルギー革命の中にある」と話す。「新聞紙上でSDGsあるいはESG投資といった言葉を見ない日はないかと思います。かつてCSRという観点から捉えられる傾向の強かった再生可能エネルギーの活用ということに関しても、経済的な価値の追求を超え、さらに企業の存続発展に関わる課題へと発展してきました。この現象は2016年11月に発効したパリ合意(COP21)が契機となっておりますが、民間レベルでは既に約130社ものグローバル企業がRE100を宣言するなど、新たなエネルギー革命というべき潮流が生まれています」(平野氏、以下同)そうした状況を踏まえ、日本においても「再生可能エネルギーが“主力電源”というキーワードで定義づけられた」と、このほど閣議決定された「第5次エネルギー基本計画」を評価する。「当然いろいろな課題もありますが、主力電源化ということを明確に定義づけ、そのベクトルに向かって課題を解決していこうということですから、たいへん大きな前進です。われわれとしては、これを契機に、さらに太陽光発電の普及拡大を図っていきたいと考えています。再生可能エネルギーの中でも、とりわけ太陽光発電が重要な役割を担っていくという気概をもって邁(まい)進していく覚悟です」
「テクノロジー_2018/07/13」

太陽光発電は3年以内に世界のほぼすべての国で最安価のエネルギーにLONGi社長が予測

ベルリン2018年7月10日新華社=共同通信JBN】第9回中独経済技術協力フォーラム(Sino-German Economic and Technical Cooperation Forum)が7月9日にベルリンで開かれ、中国大手の太陽光発電(PV)産業会社であるLONGi Green Energy Technology Co., Ltd.(以下LONGi)のリ・ジェングオ社長が、エネルギー転換とエネルギー保存をテーマにするフォーラムで基調講演を行った。同社長は講演の中で、太陽光発電(PV)は今後3年以内に、世界のほとんどすべての国で、最も安価な電力資源になるだろうと語った。
 同社長はさらに、太陽光発電とエネルギー保存が最も安価なエネルギー源になるとして、「Solar for Solar(太陽光発電のための太陽光)」の理想が将来実現するだろうと語った。2050年までに、PVは年間数千ギガワット(GW)の電力を生み出すだろう。
「テクノロジー_2018/07/13」

2018年7月12日木曜日

太陽光関連企業の倒産は「底打ち」か、2018年上期は44件

帝国データバンクは2018年7月4日、2018年上半期(1~6月)の太陽光関連企業の倒産状況に関するレポートを発表。倒産件数は過去2番目の高水準となる44件だった。これは前年同期比12.0%減で、2017年下半期の13.6%減に続いて2桁減少となっており、「ピークアウト感も出ている」とした。倒産様態別では「破産」が42件、「特別清算」が1件、「民事再生法」が1件だった。地域別では関東が17件、中部が12件、近畿が7件、九州が5件、東北が2件、中国が1件となり、特に中部地域での倒産が多かった。負債総額は合計83億6200万円。いずれの企業も負債10億円に満たず、2006年以降の負債額上位20社に変動はなかった。調査を開始した2006年からの累計332件のうち、全体の94.3%を「破産」占め、「特別清算」が3.0%、「民事再生法」が2.7%となっている。域別の累計構成比では「関東」がもっとも多く37.3%を占め、「中部」が18.1%でこれに続く。特に「中部」は足元で急増傾向にある。
「テクノロジー_2018/07/12」

2018年7月6日金曜日

補助金漬けの再エネは「主力電源」になれるのか

7月3日に閣議決定された第5次エネルギー基本計画では、再生可能エネルギーについて初めて「主力電源化を目指す」と明記されたが、再エネの電源構成比は「2030年に22~24%」という従来の目標が踏襲された。マスコミでは「急成長している再エネはもっと伸びる」という批判が多いが、それは本当だろうか。中国政府は5月31日、太陽光発電の買取価格を大幅に引き下げ、その設置を制限する規制を発表した。中国は世界の太陽電池(太陽光パネル)の70%を生産しているが、これによって供給は大きく減る。中国は発電量でも世界第2位だが、その成長にストップがかかるため、今年の世界の太陽電池のグローバル需要は、初めて前年を下回る見込みだ。
「テクノロジー_2018/07/06」

2018年7月2日月曜日

【松本真由美の環境・エネルギーDiary】「非化石証書」 企業への訴求力は? (1/4ページ)

日本卸電力取引所(JEPX)が開設した非化石価値取引市場の初入札が5月18日に行われました。この市場では、再生可能エネルギー(再生エネ)など非化石エネルギー源由来の電力の非化石価値(環境価値)を証書化し、電気の現物市場と分離して取引しています。この新市場の目的と、潜在的なユーザーとなる企業への訴求力について探りました。初入札の対象は、固定価格買取制度(FIT)に基づいて買い取られた再生エネ電力の非化石価値で、昨年4~12月の発電量(9カ月間で計500億キロワット時超)を入札にかけました。これは国内の年間電力消費量の約6%に相当します。入札の最低価格は1.3円/キロワット時と定められ、最も高い入札価格は4.0円/キロワット時、最も安い価格は1.30円/キロワット時で、小売電気事業者26社によって落札されました。販売された非化石証書(欽定量)は511万5738キロワット時で、欽定率は0.01%、欽定収入は約670万円と低調な結果となりました。
「テクノロジー_2018/07/02」

2018年7月1日日曜日

住宅間で電力を融通できる新技術、村田製とソニーCSLが共同開発を明らかに

村田製作所とソニーコンピュータサイエンス研究所(ソニーCSL)は、「スマートエネルギーWeek 2018」(2018年2月28日~3月2日、東京ビッグサイト)で、両社が共同で研究開発を推進する地域分散型および需要家間での電力融通システムについて紹介した。国内でも家庭に太陽光発電などの発電装置や蓄電池が普及しはじめ、これらの分散電源を統合制御して、全体を1つの発電所のようにコントロールするバーチャルパワープラント(VPP)の構築実証が進んでいる。
 村田製作所とソニーCSLが開発している電力融通システムは、こうした各家庭の分散電源の電力を、任意の相手と直接取り引きできるようにするというもの。現在の電力会社から系統を経て需要家に電力が供給される「トップダウン型」から、近隣住民など地域の需要家間で電力を融通し合う「ストック型」の送電を行えるようにする狙いだ。
「テクノロジー_2018/06/30」

2018年6月22日金曜日

太陽光の「自家消費」戦略を読み解く

太陽光発電の方向性の一つとして、固定価格買取制度(FIT)による売電ではなく、「自家消費」が大きなトレンドとなってきた。この背景にはいくつかの要因がある。今回は「自家消費」がこのままトレンドとなるのかについて解説する。FIT導入の早かったドイツなどでは、太陽光の設置形態が、FIT売電から自家消費に移行していると言われているが、日本でも「FITを利用しない」という選択肢が現実的になってきている。「非FITの太陽光発電」の設置に対しては補助金制度があることや、発電設備のコストが大幅に安価になったことから、自家発電の電源として採用されやすい環境となった。それに加えて、「RE100」加盟企業が日本でも増えてきたこと、省エネ法対策、電気代の削減のため、などの理由で「自家消費型太陽光」が選択されるケースが増えている。
「テクノロジー_2018/06/22」

2018年6月18日月曜日

中国が太陽光発電の政策を変更、世界市場で供給過剰懸念が再燃

エネルギー関連の市場調査などを手掛ける台湾EnergyTrendは6月14日、太陽光パネルのグローバル需要が2018年に初めてマイナス成長となり100GWを下回るとの見通しを発表した(関連記事1)。
 同見通しは、中国政府機関の国家発展改革委員会(NDRC)、財務省、国家エネルギー局(NEA)が5月31日に発表した太陽光発電に関連する政策の変更による影響を考慮したもの。中国国内の太陽光発電の需要は、29~35GWまで縮小するとしている。太陽光発電のサプライチェーンでは下押し圧力がかかり、供給過剰の懸念から価格の下落が既に始まっているという。
「テクノロジー_2018/06/18」

世界の太陽光発電市場は曲がり角に(中国太陽光バブルついに終焉へ)

中国の発電量は、2011年に米国を抜き世界一になり、その後も経済成長に合わせ増加を続けている。2016年の発電量は米国の1.4倍、日本の6倍の6兆kW時を超えている。都市部の大気汚染対策として石炭火力発電を削減する必要もあり、増加する発電量を支えるため中国政府は原子力、水力、風力、太陽光発電設備の増設に力を入れた。現在約20基が同時に建設されている原子力発電所は、2020年には日本の設備量を抜き去り、2020年台半ばには米国も抜き世界一の設備量になるとみられている。水力発電所では2250万kWの世界最大の三峡ダムが建設された。風力、太陽光発電設備導入を促すため固定価格買い取り制度(FIT)などの支援策が導入された。この政策支援により風力発電設備は1億8800万kWまで拡大し世界の3分の1以上を占めるようになった。太陽光発電設備も1億3000万kWを超え、世界の太陽光発電設備の3分の1を占め世界最大になった。風力、太陽光発電設備量の合計だけで、日本の全発電設備量を超えるほどの規模だ。
FITの導入により日本での太陽光発電設備の導入量は、それまでの年間100万kWから年間1000万kWまで一挙に膨らんだ。太陽光バブルと呼ばれる事象だが、他の国でも有利な投資を生むFITを中心とする制度により太陽光バブルは発生していた。北海道東部、九州南部などに設備が集中した日本と同じことが起こったが、土地に余裕があり、土地価格が安いということは、人があまり住んでおらずエネルギー需要は小さく送電線能力も十分にはない地域だ。中国政府は、2013年に全国を3地区に分け、0.9元から1.0元の異なる買い取り価格の適用に制度を変更した。その後も、毎年買い取り価格の減額が続いているが、過当競争による太陽光パネル価格の下落が投資を促したこともあり、中国がドイツ、日本を抜き世界一の太陽光パネル導入国になった。
世界の太陽光モジュールの70%以上を製造している中国企業には大きなダメージをもたらす政策の変更であり、3000万kW以上の供給過剰と言われる太陽光モジュール価格が一段と値下がりすることになりそうだ。また、「自給率90%でも米国が電源の多様化を図る理由」で触れた通り、太陽光発電関連の雇用の大半は、パネル販売と設置に関する仕事であることから、設備導入量の急減速は多くの失業を生むことになる。
太陽光パネル価格の下落がさらに進むと予想されることから、太陽光発電設備の導入コストも下がり、発電コストも下がることになる。日本もFITの買い取り価格を適宜見直さなければ、消費者の負担により事業者が過剰な収益を得ることになりかねない。
「テクノロジー_2018/06/18」

2018年6月15日金曜日

トランプ関税の影響ジワリ、米で続々と太陽電池の増産計画

大手メーカーの増産計画は合計4GWに
中国などからの安価な太陽電池製品の大量流入により、米国内で生産していた太陽電池メーカーは収益性が悪化し、次々と事業から撤退、または破綻に追い込まれた。日本メーカーの京セラはカリフォルニア州、シャープはテネシー州、そして旧三洋電機(現パナソニック)はオレゴン州に2010年前後に建設された米国内での生産事業から撤退している。太陽光発電の導入容量では、米国市場は中国に続き世界第2位の規模を誇るものの、供給面でみると世界に占める割合が微々たるものとなっている。国内製造業を保護するため、トランプ政権は今年1月、結晶シリコン太陽電池 (CSPV)の輸入製品に対して4 年間にわたり関税を課すことを決定した。トランプ政権による関税措置の発表後、複数の大手メーカーが米国内での生産拡大を表明した。これら企業の新設・増設計画を合わせると実に4GW近くに達する。
「テクノロジー_2018/06/15」

2018年6月14日木曜日

豪の太陽光パネル、過剰設置で送電網パンクか 停電の可能性も

【シドニー=時事】豪業界団体エネルギー・ネットワークス・オーストラリアは、クイーンズランド州で太陽光パネルの設置が急増していることを背景に、過剰な電力供給による停電が起きる可能性があると警告した。豪公共放送ABCが7日報じた。同州では3割超の家庭に太陽光パネルが設置され、世界最高の水準にある。同団体のディルソン最高経営責任者(CEO)は、現在の送電網について、家庭での電力需要が低い日中に発生する大量のエネルギーに対応していないと指摘した。その上で、「太陽光発電が一定水準を超えた場合、うまく対処できなければ、一部で技術的な問題が発生するだろう」と強調。最初に電圧と周波数の問題が発生し、設備に打撃を与え、地域的に停電が起きる可能性があると語った。
 同州政府当局者は、蓄電の機能を果たす揚水発電の拡大などの対応策を導入していると説明した。
「テクノロジー_2018/06/14」